繰越欠損金の控除限度額の引き下げと繰越期間の延長

平成27年度税制改正で話題になったのが、法人税率の引き下げ。
その一方で、法人への課税強化の改正として「繰越欠損金の繰越控除制度等の見直し」があります。

繰越期間が10年に延長

繰越欠損金の繰越控除制度とは、年度に所得が出た場合で、過去に発生した繰越の欠損金(赤字)がある場合には、その欠損金を所得から控除することができるという制度です。

この制度は現状、期末資本金が1億円以下などの一定の中小法人は、所得が発生した場合に繰越欠損金があるときには、その所得から欠損金の全額を控除することができます。

つまり、所得よりも繰越欠損金が多い場合は、課税所得はゼロになります。

なお、平成27年度税制改正によって、繰越欠損金の繰越期間が10年(現行9年)に延長されます。これは平成29年4月1日以後に開始する事業年度において生じた欠損金額から適用されます。

一定規模以上の法人は、欠損金の繰越控除が制限

欠損金全額を所得から控除できるのは中小企業の話。対して資本金1億円超の法人または資本金5億円以上の法人との間に100%支配関係がある会社などは、欠損金を全額控除することはできず、現在は所得の80%までに制限されています。

今回の平成27年度税制改正には、この80%までという利用制限割合が、平成27年4月1日以後の開始事業年度から65%に、平成29年4月1日以後の開始事業年度からは50%に引き下げるということになっています。

言い換えれば、資本金1億円超の大法人及び大法人との間に100%支配関係がある会社は、平成29年4月1日以後の開始事業年度からは、欠損金の繰越控除が大幅に制限されます。

法人税率の引き下げは、法人税率を低く設定している諸外国との国際競争力を強化する上では歓迎される改正とも解釈できます。一方、税率軽減の財源確保のため、欠損金の繰越控除制度を見直したとも考えられます。

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